兵を様々な形に並び替え、攻撃力を高めるために使われていた陣形。
もともと陣形は中国で考え出されたといわれており、日本に伝わったのは平安時代、学者であった大江匡房(おおえのまさふさ)が源義経に伝えたことからだといわれています。
今回は代表的な陣形を絵を使ってわかりやすく解説していきますね!
戦国時代の陣形を絵付きで紹介
鶴翼(かくよく)の陣形
凸は大将↑
※自作なので絵が下手くそなのはご了承ください(^^;)
鶴が翼を広げたような陣形。敵を取り囲んで四方八方挟み撃ちするような形で攻撃する陣形です。
※徳川家康が三方ヶ原の戦いでこの陣形を使用したといわれています。
この陣形のメリット
・突撃した敵に集中攻撃を加えることができる。
・その結果被害を最小限に抑えられるため防御面に優れている。
デメリット
・中央兵力が少ないため包囲するのが遅れてしまうと大将を討ち取られる危険性が高まる。
魚鱗(ぎょりん)の陣
※旗本:大将を守る部隊
魚のウロコみたいな形から魚鱗の陣と呼ばれました。
中央に兵力が集中していることから突撃などの真正面からの攻撃に向いています。
※この陣形を使用した戦で最も有名なのは鶴翼の陣形の時と同じく三方ヶ原の戦いで徳川家康と戦った武田信玄が使用したといわれていますね。
メリット
・正面の攻撃力はトップクラス!
・兵力が密集しているため陣が崩れにくく情報伝達も早い。また、先陣が壊滅しても次の部隊を繰り出すことができるため消耗戦にも強い。
デメリット
・正面からの攻撃に強い分、背後や横からの攻撃にはめっぽう弱い。そのため敵複数に囲まれている際に向かない陣形と言える。
鋒矢(ほうし)の陣
矢の先のような形をしていたことからこう呼ばれるようになった陣形です。
魚鱗の陣の派生版で魚鱗の陣よりも攻撃力は高いが、敵に囲まれると極端に弱いのが特徴になります。
※関ヶ原の戦いで西軍の島津家が退却戦の際に使用したとの事。
方円(ほうえん)の陣形
円形の形をした陣形です。大将が中心に位置しており、四方八方からの攻撃に対応ができました。
メリット
あらゆる方向からの攻撃に対応できるため、相手の奇襲作戦にはかなり強い。完全な迎撃陣形!
デメリット
・四方八方からの攻撃に対応しているため移動には向いていない。
・すべての方向からの攻撃に対応できるが、兵力が分散しているため相手兵力が方円の陣の一か所を攻撃してきた場合持ちこたえるのが困難→局所攻撃に弱い。
長蛇(ちょうだ)の陣
※遊軍:自由に攻撃することが許された部隊
ヘビのような形をしていることから長蛇の陣と呼ばれるようになり、縦に長いのが特徴です。谷などの細長い場所で使用することが多くありました。
メリット
・前方、後方からの攻撃に対応できる。
デメリット
・横からの攻撃には全く対応できない。
・陣が長いため、部隊同士の連絡を取ることが困難。
雁行(がんこう)の陣
雁(がん)という鳥が群れで飛ぶような形に似ていることから名づけられた陣形です。
長蛇の陣よりも横幅が広く、戦いの状況によって魚鱗の陣、鶴翼の陣などなど自由に陣形を変えられることができました。
車懸り(くるまがかり)の陣
上杉謙信が使用した陣として有名で、車輪が回転するような形をしていることからこう呼ばれています。
部隊が次から次へと敵めがけて攻撃する...波状攻撃の陣ですね。
まとめ!陣形はどれが最強というわけではない
陣形にはどれが最強と言うわけではなく、それぞれ長所と短所がある事がわかっていただけましたでしょうか?
地形や状況によっても使われていた戦法は様々ってわけなんですよね。
また、合戦で実際に使うにはかなりの訓練が必要であったためあまり使われていなかったともいわれています。
タイムマシンでもあればはっきりするんですが…(^^;)
以上、陣形の種類についてでした☻